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トラブルメーカーズ 「異端児」たちはいかにしてシリコンバレーを創ったのか?という本

とにかく分厚く、そして熱い本だった。

シリコンバレーといえば、スティーブ・ジョブズやアップルを想起するが、その前進となるシステムやそれを構築する先人達がいたからそこ成立できた。

GoogleもFacebookもその例に漏れず、この本ではかなり最後の方にその名前がようやく見えるくらいだった。

恥ずかしながら読む前はビルゲイツもシリコンバレーに関わっているものと思っていたが、彼はシリコンバレーの外で活動していた。

言われればそうなんだけどこの本を読むまではそれを意識しなかったし、知らなかったことと同じだ。

また、熱い意志を持った男達の物語だと勝手に思い込んでいたが、優秀な女性起業家の姿もそこにはあった。サンドラ・カーツィグは今のサブスクのクラウドアプリの先駆けのようなものを作り、フォーン・アルバレスは…

現代に比べて当時は女性蔑視の風潮が激しく、不遇な扱いを受けながらもそれを物ともせずの仕上がっていく彼女ら逞しさは目を見張るものがあった。

遺伝子組み換えの話はあまり馴染みがないので200ページ台はちょっと退屈な雰囲気だった。

300ページ初めから一気に話が加速する感じがした。

インテルのストックオプションで大儲けしたマイクマークラが早期退社して、悠々自適に暮らしつつ、コンサル業(無料)を始める件とか現代の日本の若者が憧れるFIREの体現だなぁと思った。私が20代の頃に憧れていた姿に重なるものがあった。

当然ながらFIREを本当に達成するには彼ほど優秀でバリバリに働く気概がないといけないというなんとも皮肉な話ではある。

少し横道に逸れたが、マークラは間も無くしてジョブズとウォズニアックがAppleⅡを開発するガレージに赴くことになり、ここらアップル創業までの物語が始まる。

ジョブズとウォズニアックのThe経営者とThe機械オタクのタッグで成り上がったイメージだったが、実際このマイク・マークラがいなければ今のアップルはまず存在しえなかった。

2人のスティーブは経営知識がなく、AppleⅡをどう売っていくかといった販売戦略など皆無だった。マイクは、2人誰をターゲットにしているかといった宿題を出したがジョブズは一度もその宿題をこなしてくることはなかったという。流石ジョブズ。

もっと書きたいことあったけど力尽きたのでこの辺で。

とにかく人の熱を感じられる本なのでスタートアップとか、今取り組んでる活動にもっと燃料がほしい人は是非読んでみてほしい。

日本ではシリコンバレーの後追いプロジェクトが生まれては立ち消えを繰り返していると聞くが、産学連携をうまいことやる必要があるんだなぁと感じた。

最近では、大学と企業が共同でこんなものを開発しました〜みたいなニュースをちょこちょこ見るようにはなったけどシリコンバレーみたいなノリには遠く及ばないんだろうな。

私立文系の大学を卒業した身としては、学生と社会ってのが大きく分断されすぎてるよなぁと特に感じる。

自分が意識高い学生でもなかったからそこも原因だけど本当に社会との繋がり方とか1mmも分からなかったな。

良くも悪くも今はインターシップからの就職が主流になってるから卒業後のギャップは生まれにくくなってるとは思うが。果たしてそこは目指すべきところなのか。大学がますます就職予備校化しないだろうか。

まあでも当時学生だった自分を振り返るとある程度強制的に社会に向き合う仕組みがあった方が特にやりたいことも人にとってはありがたいのかも。

ジョブズしかり、ホリエモンしかり、大学中退してもやる奴はやるわけだしね。

なんかしっちゃかめっちゃかになってしまった。

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